改正基準告知が改正され、運送会社の運行管理者とドライバーはさらに厳しい対応が求められている。心身ともに負担になりすぎる長時間労働は決して許されないが、本人が働きたいという意志があっても働けず、収入源となることに繋がる施策には疑問が生じる。ドライバーは歩合給が多いのも要因の一つ。一方、規制に対して、対応ができる大手運送会社はよいとして、1次、2次下請けで実運行している中小運送会社は、多額の借入金もあることがあり、遵法と売上確保のまた裂き状況になっている。遵法を取っても売上確保を取っても、いずれは会社が立ち行かなくなる中小運送会社が2025年以降増加することは十分予測される。現場・現実をしっかり把握した施策、民を豊かにする施策を強く望みたいものだ。


ドライバーの作業軽減と拘束時間削減に向けてパレット輸送を政府は推奨しています。しかし、現場を知らないと思われる施策としてT11に固執しすぎています。輸送に適したパレットは製品によっては、1400X1100がよい場合もあります。飲料は900X1100。パレット化は理解できるが、サイズを限定するところが現場を知らない人がやりそうなこと。また。パレット輸送推進するならば、大型車の荷台高さは2600mm~2650mm確保を推進すべきなのにそれはしないという不思議。矛盾だらけの施策の推進はごり押し以外にないのでしょうか?


2025年以降荷主から受託している元請け物流業に、下請け管理が徹底される見込みです。多重下請け問題解決に向けた対策ですが、実運送会社の社名と何次下請けになるかの管理が必要になるようです。また、元請けが下請け運送会社に発注した場合に実運送会社の受注額を減額されないように荷主の支払い額が増額するしくみになりそうです。運賃値上げ要因になるので荷主は実運送会社に依頼する比率が高まりそうです。


物流の2024年問題の年になりましたが、ドライバー不足は現実の問題ですが、コロナ以前の荷量より減少が継続しているため、逼迫感が希薄に感じます。荷量が減っているので価格競争して受注しようとする企業もありますが、残業時間を先食いしているのもあります。2024年年末から2025年からいよいよドライバー不足が現実となり、2026年以降も厳しさが増してくると予測しています。最近の日本人は、準備ができず その時になって騒ぐ民族になってしまったのではないかと心配しています。



ロジスティクスのコンサル案件で、企業の方が 「うちの業界は特殊なので、業界経験者の方がよいのではないかと考えている」と言われる事があります。いつも私は不思議に感じています。「業界と企業の事を一番知っているのはあなたがたですよ!」 外部に課題解決を依頼しようとしているその時にも、自社の置かれている状況の理解が足りないように感じます。業界をよく知る事は当然必要ですが、問題の真因を掴み、解決案を策定し、実践に導けるかがコンサルの仕事だと私は常に考えています。年齢、学歴、所属した企業、業界経験などでしか判断材料が持たない人が重要な判断をしている事が、日本経済の停滞に繋がっているのではないかと痛感しています。


運送業の多重下請け対策として、元請け企業に外部発注した運送業を明確にさせる動きがあります。荷主は自社はちゃんと運賃を払っていると思っていても、元請けが外部に依頼することで何層もの先の実運送会社は運賃が大きく目減りしていることが問題視されています。今後、超大手企業はともかく、中小運送会社に委託する運送の傭車比率が例えば40%50%を超えている場合は、要注意です。突然傭車が確保できないので運べませんという話になるのは最悪ですね。ドライバー不足は、まずそういうところからほころびが顕著になるように推測しています。