ロジスティクスのコンサル案件で、企業の方が 「うちの業界は特殊なので、業界経験者の方がよいのではないかと考えている」と言われる事があります。いつも私は不思議に感じています。「業界と企業の事を一番知っているのはあなたがたですよ!」 外部に課題解決を依頼しようとしているその時にも、自社の置かれている状況の理解が足りないように感じます。業界をよく知る事は当然必要ですが、問題の真因を掴み、解決案を策定し、実践に導けるかがコンサルの仕事だと私は常に考えています。年齢、学歴、所属した企業、業界経験などでしか判断材料が持たない人が重要な判断をしている事が、日本経済の停滞に繋がっているのではないかと痛感しています。


運送業の多重下請け対策として、元請け企業に外部発注した運送業を明確にさせる動きがあります。荷主は自社はちゃんと運賃を払っていると思っていても、元請けが外部に依頼することで何層もの先の実運送会社は運賃が大きく目減りしていることが問題視されています。今後、超大手企業はともかく、中小運送会社に委託する運送の傭車比率が例えば40%50%を超えている場合は、要注意です。突然傭車が確保できないので運べませんという話になるのは最悪ですね。ドライバー不足は、まずそういうところからほころびが顕著になるように推測しています。


最近、運送会社の幹部の方々とお話する機会が多いのですが、各社とも陸送荷量の伸び悩み、運賃が思うように上がっていない、将来のドライバー不足懸念などを抱えられています。そこで、企業によつて違いますが、新たな戦略として、EC物流の強化、運送主体から3PLの強化、特殊な配送が必要な業界への強化、大型施設の投資、M&Aによる企業力強化など様々な取り組みを始めている様子。環境変化している時代に 変化できない企業は、やはり衰退に向かうのだろうと実感しました。


昔からの話ですが、製造業は自社の製品はとても素晴らしいとアピールします。物流業も同じく荷主企業のお役に立ちますとか他社より優れた技術とサービスですとアピールします。展示会の説明は、御社のソリューションができますと声を掛けられます。・・・個別の企業の抱える問題、課題、重要なニーズを把握していない提案は空虚で企業には響くはずもないと考えています。まず問題点と課題の理解とニーズをとらえることが重要と考えることが重要だと考えています。



物流の2024年問題と言われる4月になりますが、実際に影響が出てくるのは、夏前のクール便の不足、秋以降来年春までの期間にドライバーの残業時間を調整すする時期がかなり厳しいと予測されます。         2019年のコロナ前よりトラックによる貨物減少が続いています。企業の業績がよいのは円安効果、値上げ効果とも言われています。今後どの程度の混乱になるか予測は難しいですが、今からでもあらゆる対策を講じる必要があるのは間違いありません。